見えるか保己一
見えるか保己一
見えない学者と、見える人々。そのすれ違いから偉業を読み直す。
全盲の国学者・塙保己一を、偉人の成功談だけでなく、妻や学者仲間、弟子との関係から描きます。類いまれな記憶力と『群書類従』編纂の大事業、その裏側の孤独を立体的に読みたいときに向きます。
読みどき
「文学賞発表後」に合う本9冊と選書棚0件を紹介します。 今の気分や使える時間に合う一冊を、よみどきから探せます。
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見えるか保己一
見えない学者と、見える人々。そのすれ違いから偉業を読み直す。
全盲の国学者・塙保己一を、偉人の成功談だけでなく、妻や学者仲間、弟子との関係から描きます。類いまれな記憶力と『群書類従』編纂の大事業、その裏側の孤独を立体的に読みたいときに向きます。
ゾンビ回収婦
AIに仕事を奪われたあと、仮想世界で「役割」を拾い直す。
殺されたゾンビの骸を回収する仕事という強い設定から、評価されない労働や、期待された役割を引き受け続ける感覚へ踏み込みます。AIと仕事の変化が身近になった今、現実と仮想の境目を通して働く意味を考えたいときの一冊です。
丹心/まごころ
廃墟を美術館に変える計画から、中国の現在を見渡す。
建築家の助手が住民の立ち退きに奔走するなか、資本、芸術、生活の欲望がぶつかります。複数の言語と文化が交わる場所で「まごころ」が何を意味するのか、都市の変化と一緒に考えられる小説です。
青天
ぶつかることでしか確かめられない自分を、もう一度フィールドへ。
高校最後の大会で敗れ、受験にも不良にもなりきれない青年が、再びアメフトと向き合います。競技経験を土台に、身体をぶつける怖さと喜び、進路が見えない時期の停滞を描く青春小説です。
#台所のあるところ
冷蔵庫や鍋のある場所から、誰かと生きる毎日を見つめ直す。
六つの台所を舞台に、世代も境遇も異なる女性たちの暮らしがつながります。食べることと家族を支えること、自分を後回しにしないことを、身近な道具から読み直せる連作小説です。
ソリティアおじさんがいた頃
元同僚の訃報が、動かなかった日常に次の一手をつくる。
京都の味噌会社で働く女性が、かつての同僚の死をきっかけに、続けてきた仕事と恋人との関係を見つめ直します。大事件ではなく小さな決断が人生の向きを変える物語なので、立ち止まった感覚があるときに読みやすい一冊です。
悪い血
身体から抜き取られた血が、選ばなかった過去を呼び戻す。
採取された血を取り戻しに病院へ向かうという行動を軸に、主人公が選択を避けてきた過去と向き合います。身体と記憶、罪悪感が近い距離で重なるため、短い小説を濃く読みたい夜に向きます。
アンチ・グッドモーニング
「よく生きよう」という善意が、眠れない夜を増やしていく。
職場のチャット、ウェルビーイング施策、丁寧な暮らし。良さそうな言葉が逃げ場のない圧力に変わる感覚を、不眠の会社員の視点から描きます。通知や自己改善に疲れたとき、何から距離を取るべきか考える入口になります。
けんぐゎい
世間の「圏外」に追いやられた女たちが、生きる場所をつくる。
江戸時代を舞台に、容姿や身分、性を理由に周縁へ押し出された女性たちが出会います。誰かに定められた価値から離れ、自分の生を取り戻す過程を読む時代小説として、受賞を機に手に取りたい一冊です。