よみどき 今読む理由で、本を選ぶ

2026年の謎と物語

秘密、告白、家族、都市をめぐる新しい物語9冊

最終更新:

2026年に届いた物語を中心に、謎が読者を前へ運ぶ小説と、人物や家族の秘密をじっくりほどく作品を並べました。事件の真相だけでなく、語られなかった感情や社会の気配まで読み取りたい人のための棚です。勢いのある長編から余韻の残る物語へ、読書の幅を広げられます。

新刊小説から次の一冊を選びたい人、謎解きと人物描写のどちらも味わいたい人。

先が気になる物語に没頭したい週末、通勤の続きを楽しみにしたいとき、読書会の候補を探す夜に。

掲載本

詳しい紹介

箸から謎が始まる

名探偵の箸本さん

名探偵の箸本さん 推理のヒントは夫のお弁当 / 住本 優

夫のお弁当から始まる、暮らしのそばの謎解き。

大事件ではなく、身近な食と暮らしを手がかりに推理を楽しめる日常ミステリーです。緊張の強い物語より、親しみやすい題材から謎へ入る読み物を選びたい時に向きます。

平日夜でも読めそう 読み始めやすい 編集メモ: 優先的に紹介

人形の声に耳を澄ます

おりせ人形帖

おりせ人形帖 / 由原 かのん

人形の声を聞く少女が、江戸の町で自分の行く先を選ぶ。

江戸の人形町という舞台に、人形の声を聞く力と、家族・恋・仕事をめぐる迷いが重なります。不思議な設定を楽しみながら、自分の生き方を誰が決めるのかという成長の物語として読めます。

週末や余裕のある日に 関心がある人向け 編集メモ: 候補として強い

心の淀みへ潜る

泥む

泥む / 長谷川 未帆

飴ノ町商店街で、人を動けなくする執着の形を追う。

同じ商店街を舞台にしながら、一人称の語り手が変わることで、執着する人の内側と周囲からの見え方を重ねて読めます。一編ずつ区切りつつ、場所と人物のつながりを探す楽しみがあります。

週末や余裕のある日に 関心がある人向け 編集メモ: 候補として強い

告白の裏側を読む

ぼくたちの告白

ぼくたちの告白 / 高森 泉

迷宮入りした転落死と、15年後の小説。告白のどこに罠があるのか。

学校で起きた事件と、年月を経て公開された小説が重なり、記憶と語りの信頼性を追う読み方ができます。人物の言葉や時系列を整理しながら、仕掛けに向き合いたいときのミステリーです。

週末や余裕のある日に 関心がある人向け 編集メモ: 候補として強い

炎を追う上巻

ファイア・ドーム 上

ファイア・ドーム 上 / 辻村 深月

事件より速く燃え広がる「噂」を、町の内側から追う。

25年前の誘拐殺人事件と、事件を消費する報道や噂が町に残した火種を描く長編ミステリーの上巻です。SNSで誰もが事件の語り手になれる現在と重なる題材を、刊行直後のいま腰を据えて読めます。

腰を据えて読みたい 読む体力が必要 編集メモ: 候補として強い

結末へ進む下巻

ファイア・ドーム 下

ファイア・ドーム 下 / 辻村 深月

新たな失踪事件から、町に残る火の粉の正体へ。

上巻で広がった人物と事件の線が、新たな少年失踪事件を通して25年前の未解決の事実へ近づく下巻です。噂に巻かれる側だけでなく、噂を生み広げる側にもなり得る怖さを最後まで追えます。

腰を据えて読みたい 読む体力が必要 編集メモ: 候補として強い

現在地を映す物語

夏帆─The Tale of KAHO─

夏帆─The Tale of KAHO─ / 村上 春樹

発売直後の熱気の中で、村上春樹の新しい主人公に出会う。

2026年7月に刊行された、村上春樹による女性単独主人公の初長編です。奇妙な出来事に巻き込まれる絵本作家・夏帆を追いながら、喪失と再生を描く新作を、評判が固まりきる前のいま読めます。

週末や余裕のある日に 関心がある人向け 編集メモ: 候補として強い

婚姻の形を揺さぶる

多類婚姻譚

多類婚姻譚 / 凪良 ゆう

「一緒に生きる」を、五つの価値観の衝突から考える。

結婚を入口に、ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境など、近い相手ほど難しい価値観の違いを描く五つの物語です。短編ごとに区切りながら、いまの関係性を考える話題作に入れます。

週末や余裕のある日に 関心がある人向け 編集メモ: 優先的に紹介

都市と欲望を歩く

ブティック

ブティック / 池井戸 潤

銀行を辞めた先で、働く意味と新しい希望を探す。

エリート街道から突然外された若手行員が、退職後に新しい道を探す長編小説です。組織の理不尽さと再出発を描く池井戸潤の新作として、仕事の現在地を考えたい時期に読めます。

腰を据えて読みたい 読む体力が必要 編集メモ: 候補として強い

広告